小力

こひくんは最近、小力に夢中だ。
小力とはあの小力。

そう。長州小力

なにがそんなにいいのかさっぱりわからない。
わからないけれども、「こひくんが満面の笑顔でテレビにかぶりついているなぁ」と思うと、そこには小力。「こひくんがドタバタドタバタうるさいなぁ」と思うと、そこには小力の真似をして踊るこひくん。あっちでも小力。こっちでも小力。しまいにはわたしにも「一緒に踊ろう!」と誘いを掛けてくる始末。ヘンなところでLet's Togetherの姿勢を見せないで欲しい。このままじゃあそのうち、「裾の短いTシャツ欲しい!」とか言い出すんとちゃうか。怖い。

なんでそんなに小力が好きなのか。まったく謎なので本人に聞いてみることにした。
「小力のどこがいいの。なんで好きなの。」
するとこひくんは頬を赤らめてこう答えた。
「えーっ。どこって・・・・・・だってかわいいじゃん!」

!?

かわいい!?かわいいってなんだ!!こひくんのかわいいってなんなんだ!!
きっとこひくんの美的感覚は少しおかしいんだね。かわいそうに。

・・・だがここでふと、嫌な予感がした。わたしは恐る恐る、こひくんにこう聞いてみた。「話は変わるけど、わたしのことなんで好きなのさ。」
こひくんは頬を赤らめたままこう答えた。
「えーっ・・・かわいいから!」


ハハーン・・・やっぱりね・・・。やっぱりそうなのね・・・。


わたしは小力と同じようなかわいさを持っているんだね。いやむしろ、そういうかわいさしか持ちあわせていないんだね。と思った。

でもそういうこひくんも、頬を赤らめて話すサマは、小力と同じようにかわいいね。とも思った。