バドガール

今日こひくんは街中で、チラシを配っているバドガールの尻を触る中年男性を見かけたという。それまでニコニコと笑顔を振りまいていたそのバドガールは、尻を触られたとたん鬼のような形相で「おいっ!オッサン!ゴルァ!」と怒り始めたそうだ。
ここまで聞くと、『あぁ、こひくんは、そのバドガールの変わりように驚いた、という話がしたいのだろうなぁ。そういうオチに持っていくのだろうなぁ。』と思いがちだが、さにあらず。その後のこひくんの話の持って行き方に、わたしは度肝を抜かされた。
「でね、俺それ見てて思ったんだけど、そのおっちゃんの尻の触り方っておかしいと思うんだよね。」
…はぁ?尻の触り方?
「うん。だってそのおっちゃんね、尻をポンッて叩く感じで触ったんだよ?あんなの触る意味ないじゃん。俺だったら、どうせ怒られるなら揉むか撫でるかはしたいとこだよ。」
・・・。あぁ・・・まぁ・・・。で、でもそのおっちゃんも、ポンッと触るくらいなら怒られないだろうという勝算があったんじゃないの?通りすがりなら、揉んでるほどの時間もないだろうし。
「うーん。だからぁ、俺ならリスクとか触れる時間とか考慮しても、叩くより撫でる方向でいくと思うんだよね。ペロンと撫でるくらいなら揉むほど時間もとられないし、叩くよりも得るものがデカイじゃん。叩くだけなら触る意味ないと思うんだよ。」
・・・。
「んーやっぱし俺だったら絶対撫でるなぁ。叩いただけで怒られるなんてありえないよ。」
・・・。



尻を触られて怒るバドガールを見たってだけの話なのに、そんな突飛な方向に話を持っていけるこひくんの力量に、あらためて驚いた。

と同時に、『尻は、叩くよりも揉むか撫でるかしないと真価を発揮しない』という新たな価値観も学ぶことができて、本当によかった。ためになった。