それは言わない約束よ?

お客の立場にたった接客

昨日の続きで恐縮です。
昨日までのあらすじ:野菜が食べたい男、ファミレスでひともんちゃくを起こす寸前。


わたしはプンスカ怒るこひくんにこう言ってやった。
「そんなに野菜が少ないのが嫌だったら、注文するときに前もって『コレは野菜の量は写真どおりですか?』と聞くほうが利口ではないか!料理が出てきてから文句や苦情を言うより、料理を頼む段階で質問形式で尋ねる方が、店員さんだって我々だって嫌な思いをしなくて済むハズだ!」
それを聞いたこひくんは、ビビリながらもこう言い返してきた。
「で、でもさ、もしそれで店員さんが『写真どおりでは・・・ちょっと・・・すいません・・・』って言い出したらどうすればいいのさ?」
わたしは自信を持ってこう答えた。
「そのときは、『えー!写真と違うのー!?うそー!マジィ!?だったら頼むのやめよっかなーどうしよっかなー・・・?』と言って店員に揺さぶりをかければよい。そうすれば店員は動揺して、必ず『わ、わかりました!では写真と同じものをご用意いたします!』と言うだろう!」
こひくんは根負けした様子で「わかったよ」と言い、注文をとりにやってきた店員に早速「あの、コレ、野菜の量は写真どおりですか?」とおそるおそる尋ねた。


店員は顔色ひとつ変えずに「あぁ、それは全然違いますね。そんなに入っていません。」と答えた。


こひくんは多少ひるみながらも、「え、えー!?しゃ、写真と違うの?だ、だったら頼むのやめようかなぁ?」と、さっき用意したセリフを言った。
それを聞いた店員は、厨房の方をチラチラと気にしながらヒソヒソ声で「そうしたほうがいいですよ!ソレはほんと、全然写真と違いますから!いつも運んでる私が言うんだから間違いないですよ!」と、『あなたたちの味方しちゃう!』とでも言いたげな表情でニコッと微笑んだ。(ヘタなイラスト参照)


―そこに芽生えたのは仲間意識か。


こひくんは『ハンバーグと野菜の和風グリル』をあきらめ、違うものを頼んだ。ふたりでごはんを食べながら、「とても親切な店員さんだね・・・」と語り合った。帰り際もその店員はわたしたちを見てニコッと微笑み、「ありがとうございました!」と一際明るい声で言ってくれた。


あぁ仲間意識。そんな顔されたら、苦情は言えないね。


まぁでも、わたしとしてはよかった。揉め事を回避できてよかった。
なのにこの腑に落ちない感じはなんだろう。