ウッツー

こひくんと一緒に、わたしの実家宇都宮へ帰るぞ!オイオイオイ!
車で帰るんだぞ!高速にのるんだぞ!オイオイオイ!


・・・オイオイオイ?あれ、ちょっとこひくん、この道路は新潟方面ではあるまいか?わたしたちは東京方面に向かう高速にのるべきではなかったか?え?もう遅い?次のICまで降りられない?へぇ、あっそう。高速って怖いね。じゃあ今これ、どんどん宇都宮から遠のいてるんだね。超ウケル。え?なに1000円かかるの?宇都宮から遠のいてるのに?へー、すごい仕組みだね。日本万歳!車社会万歳!もう泣くしかないよオイオイオイ・・・


・・・とまぁ出だしでつまづいてしまい(こひくんがね)『このままじゃ宇都宮に着くのは相当遅くなってしまうなぁ・・・』とわたしが心配し始めた矢先に、こひくんがトイレ休憩のために立ち寄ったサービスエリアで雑誌の立ち読みをしだして、わたしは思わず後ろから首を絞めあげたい衝動にかられたよ。オマエ急ぐ気があるのか?と。
このままじゃ宇都宮に着くのは深夜になってしまう。オマエ、それわかってるの?今は急ぐときだよ?フライデー読むときじゃないよ?大丈夫?死ぬか?ボケ。


・・・とまぁここまではよくある二人の会話ですが、ここでこひくんがありえないことに、
「うるさい、おまえが死ね!」
とわたしに向かって言いやがって、わたし、こひくんから『死ね』なんて言われるの初めてのことで、あんまりにも驚いたというか頭に血が上ったというか、気付いたらこひくんのメガネが吹っ飛ぶくらいこひくんの顔をぶっとばしてた。そんな自分にびっくりした。メガネを拾うこひくんがやっさんみたいだなぁと思った。そんで泣いた。ワンワン泣いて、「死ねというならここで車を降りる。わたしは今から高速で寝る。」と訴えた。
そしたらこひくん、「ついカーッとなって言ってしまいました。ごめんなさい。」と謝ってきた。そのあと小さい声で「ずるいや・・・」とも言った。


なにがずるいもんか。オマエがだらだらだらだら急ぐ気がないからいけないんだろうが!先にカーッとなってたのはわたしだ!先にカーッとなってる人間がいるのにオマエまでカーッとなってどうするんだよ!二人でカーッとなってたら、この話はだれが収拾つけるんだバカ!


「だって・・・だって・・・元はといえばみほが二度寝したから家を出るのが遅くなったんじゃないか・・・」


あぁ、まぁ、そういう見方もあるけれど。