ニーガター 其の三

マウントフジ

ハイドー!ドードー!ブルルルゥゥン・・・(馬を停めた)

やぁ!今日もニーガタの話を書くよ!

今日は甲府に帰る日だ。サミシイ。でものんびりしてる場合じゃないんだ。止めてくれるな、おっかさん。さらばじゃ!ヒヒィィィン!


行きは高速を使ったけど、帰りは貧乏学生らしく下道で帰ることにした。


いくつもの『山を越え谷を越え』をしないと家には帰れない。ハットリくんだ。
長野県の山中を走っているときにわたしはとてもトイレに行きたくなった。小さいほう。
でもまだ我慢できるから大丈夫。次コンビニかなにかあったら「停めて」って言おう。そう思ってた。でも、行けども行けども山しかない。民家さえない。えーなにここ日本?行けども行けども、行けども行けども・・・・もう何キロ走ってんだよ。なんでなんにもないの?ついにこひくんに問いかける。「わたしトイレ行きたいんだけど、山を抜けるのはあとどれくらい?」そしたらこひくんはこう言った。「え!トイレ!?あと20キロくらいはずーっと山道だよ。お店とかなにもないよ。」
・・・えーっ!?
そんなことってありえる?この現代日本で、20キロ延々なにもない道なんて!交通量はわりとあるのに!みんなトイレどうしてんだ!「立ちションじゃない?」たたたた立ちション!?立ちションなんてできるかー!「えーでもこの道、ほんとなにもないよ。最悪、野ションでもいいよね?」のののの野ション!?オマエもしや今、愛する嫁に野でションをしろと薦めたのか・・・?ありえねーーーーーっっっヤダーーーーー!!!!こんな交通量の多い山道のどこでするんだよ!オマエ馬鹿だろ、死んじゃえ!

わたしは我慢の限界が近づくとともに、段々イライラしてきた。こひくんもこひくんで、イライラすることばかり言う。どうしたらいいんだ。とりあえずこひくん、オマエ死ね。お前が死んだらこの車は今日からトイレだ。車をやめてトイレに進化する。そうすればここでできるんだ。オマエさえいなければ。もしくはわたしが死ぬ。こんなトイレの苦しみはもうたくさんだ。生きるってつらい。我慢ってつらい。この苦しみを、いっそ呼吸とともに止めてくれ。トイレの苦しみのない天国に行くんだ。パトラッシュと一緒に!天使が見える!
あぁ、もうダメだ。最期のときが近づいてるよ。こひくん今までありがとう。
わたしは。今日。巣立ちます。(巣立ちます。)


「あ!あった!トイレあったよ!みほ!ほら!休憩所みたいなのがあるよ!」


ギャーーーーーーーーーーー!!!!!起死回生!!!!!!



―よかった。ほんとよかった。どちらも命を落とすことなくこの危機を乗り越えることができた。これからは、どぉーんなぁーに困難でくじけそうでも♪二人で乗り越えていけるね。と思った。
信じることさ、必ずどっかにトイレあるー♪


でもトイレは早めに済ませておいたほうがいい。(写真は関係ありません。ふじさん。)