あしもみん

こひくんが、頼んでもいないのに毎晩わたしの足のマッサージをしてくれるんだけど、あんまりにも毎日毎日懇切丁寧に揉んでくれるもんだから、さすがのわたしも「悪いなぁ」って気持ちになってきたよ。

だから夕べは、足を揉もうとするこひくんの手を払いのけて、「いい、いい。今日は揉まなくていい。」と言ってやったんだ。


そしたらどーだい!?こひくん、涙声で「なんで?どうして?」と聞いてきたよ。


「毎日毎日やってもらって悪いから。」とわたしが答えると、こひくんはものすごいショックを受けたような声で猛烈に抗議してきた。
「ヒドイ!そんな言い方ヒドイよ!『悪いからいい』なんてそんな・・・そんなのよそよそしすぎるよ!仲良くないみたいじゃないか!そんな気使うなんてヒドイよ!」


わたしははっきりいってカチンときた。そっちのことを思って遠慮したのに、「ヒドイ」と言われるなんて予想外。
「なんで気を使っちゃいけないのさ!毎日やってもらって悪いから今日はいいよって言ってるだけじゃないか!」と文句を言うと、こひくんは半狂乱でこう言った。


「そ、そんな気の使い方間違ってるよ!俺はただ・・・俺は、みほの体に触りたいだけなんだ!気を使うんだったら、揉みやすいように服を脱ぐとか、そういう気の使い方してくれればいいじゃないか!!!触らなくていいなんてヒドイ!俺の楽しみを奪うなんてヒドイよっ!!!」




・・・ま、まさかわたしが気の使い方を間違えていたとは。
人からマッサージしてもらって「悪いなぁ」と思ったら、服を脱げばよかったんだ。気付かなかった。盲点。


でもはっきりいって、そこまでして揉んで欲しくないから断って正解だった。