アットホーム・マム

こひくんは4月から社会人になるわけだけど、そうなったらわたしは今以上に家事を頑張らなければいけないなぁ、と思ってる。


もちろん料理だってするようになるだろう。
見事な包丁さばきで野菜を刻み、肉をこねる。フライパンも上下にブンブン振って、ワインをドッ!炎がブァッ!1メートルくらいね。
「ゴシュジンサマ、はんばーぐガデキマシタ。」ってなもんだ。


ほんでもって部屋もぴっかぴかでね。チリひとつ落ちてないわけ。壁も床も畳も真っ白。磨きすぎてツルッツル。
「ゴシュジンサマ、アシモトスベリマスノデゴ注意クダサイ。」なーんて気の利いたことも言えちゃう。


洗濯物は溜めこまないしね。コマメにジャブジャブ。洗いジワひとつつけずに干しあげるよ。それを伊東家の裏技使って、Tシャツ1枚2秒でパパッと畳みあげる。目にも止まらぬ早技。投げる手裏剣ストライク。
布団も毎日ふっかふか。雨ニモ負ケズ毎日干スカラ。パーンパーンパーンパーン!って町中に響き渡るくらい叩く叩く。


頼まれればお茶も淹れるよ。コーヒー紅茶どんとこい。コーヒーだったら豆をひくとこから入るよ。そんでお茶菓子も自分で作るしね。
「ゴシュジンサマ、テヅクリノまどれーぬトこーひーヲオメシアガリクダサイ。」ってね。マドレーヌってとこが渋いだろ?


ご主人様に「マッサージしてくれ」と言われれば、もちろんやるよ。
ウィーンウィーンと転がるローラーが上下運動。腰から首にかけて丹念に揉みほぐす。叩く動きも揉む動きもスイッチひとつで自由自在。まるで手もみの感覚。
「ゴシュジンサマ、イカガデスカ?」ウィーンウィーン、ガガ、ガガガガ、・・・ガッ・・・ピーッピーッ・・・ギギギ・・・グガッ・・・
「ど、どうした!?おい!おい!大丈夫か!?」
ガガガガ・・・ガッ・・・ドガガガン・・・ピーッピーッ『オーバーワークデス、オーバーワークデス』・・・ガガガガ・・・キュゥゥゥゥン・・・ブツン。
「あっ、おいっ!おいっ!そ、そんな・・・冗談だろ!?目ェ覚ませよっ!」



あー、そんくらいよく働く家事ロボットねーかなー・・・