超新聞

玄関の新聞受けに「ガスッ」と新聞が差し込まれる音がして目が覚めた。時計を見ると4時半。超早起き。超健康。
昨日9時に寝たからね。超早寝。超老人。
ちょうどこひくんも目を覚ましたので、さっそく朝ごはんを作ってもらう。
ご飯、味噌汁、牛肉とニンニクの芽の炒め物。朝から超ご飯。超日本人。
ごはんを食べ終わって、ちょっと一服。メシのあとのタバコ超うまい。超不健康。
タバコを吸いながら「あ、そういえば新聞とってきてないや」と思い出し、「こひくん、新聞。」と声をかける。
こひくんはわたしをジッと見つめて考え込んだあと、「新聞ね。」と言って玄関に新聞を取りにいった。


わたしは一瞬「さっきのは超マズかったな」と思った。
「こひくん、新聞。」って言い方はちょっと偉そうだったかもしれない。こひくんは、命令されたと思ってカチンときたのかもしれない。
これは謝ったほうがいいか。謝ろうか。謝るのか。よし、謝ろう。
新聞を手に戻ってきたこひくんに、恐る恐る「怒っているか?」と聞いてみた。
こひくんは「いや、怒ってないよ?なんで怒るの?・・・え?さっきのみほの言い方?えーなんで?『新聞とれ』って命令されたら怒るけど、みほ『とれ』とは言わなかったじゃん!」と言った。
「命令されるのは気分悪いけど、『新聞・・・』ってお願いされるのは悪くないよね。」とも言った。



ただ単に「新聞とれ。」と言うのが面倒臭かったから「新聞。」と言っただけだ。


2文字分ラクをしたあげく、夫婦は超円満。超超超超いい感じ。
こひくんてやっぱり、超バカだけど超いいヤツ。と超思った。