シリスキー

トイレから出てきたこひくんがなんだかニガい顔をしているので「どうしたの」と聞いてみると、なんとまぁまぁ、尻から血が出たという。
そりゃあ大変だってんで「ヨッシャ!尻を見せてみろ!穴を見せてみろ!」とこひくんのズボンに手をかけたところ、こひくんはそんなわたしの手をあっさりパシッと振り払い、「絶対嫌だ!恥ずかしい!そんなことはできない!」と尻の穴を両手で隠して逃げ回るという愚行に出た。
「なにを言ってるんだ!血が出てるのだから、どうなってるか見なければ!」
「いい!見なくていい!嫌だ!ほっといても平気だ!」
「平気なことあるか!早期発見早期治療だ!薬を塗るなりなんなりしなければ!」
「薬は自分で塗れるからいい!みほはなにもしなくていい!」
「いいや!わたしのほうがうまく塗れる自信がある!いいから尻を出せ!」
「みほの目がいやらしいから嫌だ!恥ずかしい!みほはただ単に尻が見たいだけじゃないか!」
「だっ、誰がおまえの汚い尻の穴など見たいもんかっ!とんでもないこと言うな!わたしはあのその、あれだホラ、医療的見地というか治療目的というか、だからつまりその・・・いっ、医者が人の尻を治療するときにいちいち『グヘヘ』と思うかっ!?それと一緒だ!どあほっ!」
「でもみほは医者じゃないもん!みほは尻が見たいだけだもん!けっきょく尻だもん!俺が恥ずかしがってんの見て楽しみたいだけじゃないかーーっっっ!!」




こひくん、なにもそんな半泣きにならなくても・・・。
半泣きの男から「おまえはけっきょく尻だ!」と指摘されるわたしって一体・・・?と思うと、こひくんよりよっぽど泣きたい気持ちだよ?こんなに落ち込む話はないよ?まさか旦那さんに「目がいやらしい」とか「けっきょく尻」とか言われるなんてね・・・。ほんとヒドイ話だよ・・・。

こひくん、悪いと思うなら明日までにおとなしく尻見せちゃいな。