鼻歌

こひくんはよく歌を歌っている。
ごはんを作りながら、パソコンをいじりながら、お風呂の中で、トイレの中で。
もう四六時中のべつ幕なし、隙あらば歌っているといった感じなので、わたしもいちいち気に留めず今までずっと聞き流してきた。
だが今日、ふと「アレ?こひくんの歌、毎回必ず歌詞に「みほ」と入っているぞ?」ということに気がついた。
こひくん自身は、そのことをわたしにアピールしてくるわけでも必要以上に大きな声で歌っているわけでもないので、おそらく無意識で歌っているのだろうと思われる。しかし、無意識で歌っているにしては「みほ」の入る位置があまりにも微妙なので、ここでいくつかこひくんが歌った歌詞を書き留めておきたいと思う。


♪♪♪奥田民生:ライオンはトラより美しい
『みほは泣く子もだまる立派な王〜』
♪♪♪オレンジレンジ:花
『みほびらのように散りゆく中で〜夢みたいに君に出逢えたキセキ〜』
♪♪♪一休さん主題歌
『好き好き好き好きみほっみほ一休さんっ』


わたしが『泣く子もだまる立派な王』なのはまだいいとして、『みほびら』というのはちょっとどうかと思った。やや卑猥な響きに聞こえやしまいか?というのはわたしの考え過ぎかもしれないが、まぁもう少し『みほ』を入れる位置に配慮があってもいいだろう。
一休さんに至っては、「で、結局あなた、わたしと一休さんどっちが好きなの?どっちか選んでよ!」と決断を迫りたくなるような歌詞に仕上がっている。


でもわたしが一番驚いたのは、こひくんが、この年の瀬にピッタリのあの名曲を歌ったときだった。


♪♪♪山下達郎:クリスマス・イブ
『みほは夜更け過ぎに こひへと変わるだろう おおぉ』


え?ええぇぇぇ!?わたしがぁ!?
そっ、それだけは何卒ご勘弁!!