エンコー

こひくんが誰かにメールを打っていたので後ろからそっと覗き込むと、
『…エンコーしてから…』
と書いてあるのが見えた。


エ・エ・エ・エ・エンコー!?エンコーって、あの援交!?お・お・お・おまえ援交してんのか!?
援交してからなんだ!?なにすんだ!?アレか!?アッチ方面のことか!?あんなことやこんなことか!?
と思い、こひくんの肩をガッと掴んで振り向かせ、胸ぐらを上下に揺すりあげて
「おンまえーっ金もないくせになぁにが援助だっ!!おまえどっかの社長にでもなったつもりかっ!!わたしとの結婚は偽装か!?実は女子高生専門か!?わたしのこと好きって言ったのはウソか!?ホントはキッツいオバハンだと思ってんか!?許さん!!援交するやつぁー人間のクズだ!!許さんぞーっ!!」
と怒鳴りつけてパソコンを奪い、打っている途中のメールをあらためてじっくり読み直した。



―『エンコードしてから』だった。
メールの宛名はバイト先の社長だった。



んだよっ!おまえビビらせんなよっ!援交の一回や二回してみなさいよっ、この意気地なしっ!!と思った。