お目覚め

最近めっきりこひくんの寝起きが悪い。
目覚まし時計が鳴っても携帯のアラームが鳴っても起きない。バイトが忙しいので疲れがたまっているのか、眠くて眠くて仕方がない様子だ。

そこでわたしが起こしてあげることになるわけだが、さて、わたしはどういう起こし方をしているでしょう?
普段のわたしから想像されると、かなりトンデモナイ起こし方(殴る・蹴る等を含む)をしているに違いない、と思われるかたもいらっしゃるだろうが、残念。それハズレ。実際はすっごく優しく優ぁしく起こしている。赤ちゃんを撫でるかのように、楽器(ハープあたり)を奏でるかのように、決して大声は出さず甘く囁くように起こしている。顔を優しく撫でては「こひく〜ん、起きないの〜?」と声をかけ、顔を近づけてスリスリしては「朝だよ〜こひくん起きないと寂しいよ〜」と訴える。これを時間をかけて根気よく繰り返し、気持ちよ〜く目覚めさせていく。


なんでこんなメンドクサイ起こし方をしているのか。それは、もし毎日毎日朝一から怒鳴りつけて起こし続けた場合、こひくんにウンザリされて嫌われる可能性があるからだ。
わたしはこひくんが好きなので、こひくんから嫌われることだけはなんとしても避けなければならない。



寝起きというのは、眠さで意識と無意識の狭間にいる状態だ。
毎朝毎朝、相手がその状態のときに怒鳴り続けているとどうなるか。無意識の部分に『この女キッツいわ。やな女だわ。』と摺りこませてしまうことになるのだ。逆に、その状態のときにしっかり無意識の部分に『みほはやっぱり優しいなぁ』という印象を摺りこませておけば、こひくんが起きているときに多少殴ったり悪態をついたりしても、「みほは本当は優しい子だって俺わかってる」と許されてしまうのだ。なにコレ不思議!!


朝一の苦労を惜しまなければ、その日一日の、いや、二人の人生の幸せが手に入る。アメとムチをただ使うだけでなく、使うタイミングにまでこだわったわたしの頭脳派っぷりに、こひくんもメロメロだ。