結婚式

入籍して早一週間。「お式は挙げないの?」とよく聞かれる。
正直言って、わたしはその手のものにまったく関心がない。人の結婚式に参加するのは大好きだが、小心な性格のせいか、その中心になりたいとは一度も思ったことがなかった。
別に結婚式とか披露宴というもの自体に異を唱えたいとかそんな思想があるわけでは全然ない。むしろホントだったらやったほうがいいんだろうなぁ、とさえ思っている。親戚の顔合わせやお世話になっている人たちに対するお披露目といった意味合いもあるだろうし。


でもやっぱ恥ずかしい。なんか違う。なんかムリ。なんか自分がする気にはなれない。


入籍する前にこひくんと「式はどうするか?」という話を何度かしたが、どうもこひくんは式を挙げたい様子だった。「挙げないまでも、ちゃんとウェディングドレスを着ているみほと写真を撮りたい」と何度も言っていた。あの子ちょっと女の子みたいなとこあるんだわ。

まぁ、できればこひくんの望みはかなえてあげたいとは思っている。そうなると、恥ずかしさをどれだけ抑えられるか、という問題だ。

そこでわたしはいいことを思いついた。
うちの両親も、結婚式を挙げていないと言っていたのを思い出したのだ。聞けば、こひくんの両親も挙げていないという。
よーし、決まりだ!三組合同結婚式、コレでいこう!
三人も花嫁がいりゃ恥ずかしくないぞ!いや、むしろご両親方のほうが恥ずかしいはずだ。自分より恥ずかしがってる人が二人もそばにいりゃ、わたしの恥ずかしさなんて激減だ。しかも、50代の花嫁というキビシイ状況のあいつらと20代の花嫁のわたし。勝ったも同然だ。



この案を思いついてからというもの、わたしはどうしてもこれを実現させたいと思うようになった。もはや夢だ。ドリームだ。
なので、『わたしたちが結婚式を挙げるときがくるとしたら、そのときは絶対三組合同結婚式だ』とここに宣言したい。いつか叶えてみせます。


ちなみに、うちの両親にそう言ったら「それいいねぇ!」と案外ノリノリだったのでビビった。