襲撃

昨晩こひくんが酔っ払って帰ってきてバタンキューしてから、我が家が何者かに襲撃された。

「プゥゥゥーッ!!」
今にしてみればこの得体の知れないサイレンが、襲撃の始まりを告げる合図だったのだ。
「プシュー…」
どこからともなく、毒ガスが吹き込まれるような嫌な音。何事かと辺りを窺うが、人の気配はない。
「…パスッ!パスッ!」
乾いた銃声が二発、静かな部屋に響き渡る。わたしは頭を隠すように手で覆い、その場にうずくまった。
「うっ、うぅぅ〜…」
そこで突然、寝ていたこひくんがうめき声をあげた。どうした!?撃たれたのか!?だがわたしは足がすくんで、その場から立ち上がることが出来なかった。…と、そのとき!
「…ボフッ!!」
強烈な爆発音が鳴り響いた。いったい何が起こったのか。わたしは、パニクりながらも、ホフク前進で、寝ているこひくんの枕元に近づこうとした。
「ボフッ!バフッ!ブバッ!」
も、もうダメだ!なんだかわからないが、この部屋が集中攻撃を受けていることだけは確かだった。わたしはその場から一歩も動くことが出来ず、また、声をあげて助けを呼ぶ気力さえも、もうなくなっていた。
―終わりだ。
部屋がにごった空気に支配されていく様子だけが、ありありと感じられた。





なんて物語を作りたくなるくらい、こひくんの寝っ屁がひどくてまいった。
(「」内の音声のみ、ノンフィクションです。)