息抜き

こひくんは最近めっきり卒論で忙しく、一緒に家にいてもひとりでパソコンに向かっていることが多い。

またパソコンかよ、そんなにパソコンが好きかよ、だったらパソコンと付き合えよ、わたしとパソコンが溺れそうになってたらどっちを助けるんだよ、せめて一時間に一度くらいは休憩してわたしとしゃべっておくれよ。
など言いたいことは数あれど、せっかく就職も決まってるしもういい加減いい歳だし、卒業できなくなっても困るので、寂しい気持ちをグッとこらえ、頑張るこひくんのためにコーヒーを淹れてあげた。

「はいこひくん、コーヒー淹れたよ。調子はどう??」

こひくんのパソコンを覗き込んで、わたしは度肝を抜かれた。
一生懸命卒論を頑張っていると思っていたこひくんが見ていたものは、AV女優のブログだった。

「あっ!い、いや、こ、これは息抜き息抜きっ!!」

息抜き!?AV女優で息抜き!?あぁ!?抜いてんのは息だけかコラ!?他のものも抜いてんじゃねーだろうな!?キサマ、卒業どころか呼吸もできなくしてやろうか!?あぁ!?永遠に息抜けや!!