麦茶

外にごはんを食べに行った。
行った先のお店では、水の代わりに冷たい麦茶を出していた。
ごはんを食べ終えたあと、こひくんが空いた麦茶のグラスを指差して
「店員に『水いいですか?』ってコレ差し出したら、店員は水持ってくると思う?麦茶持ってくると思う?」
とわたしに聞いてきた。
わたしは迷わず「麦茶だよ。」と答えた。するとこひくんは
「えーっ!俺は水持ってくると思うんだけど!じゃあさーじゃあさー、麦茶持ってくる方にいくら賭ける!?」
とムキになりだした。
普段からタバコ代くらいの小額の賭けをよくしているので、こひくんはまたそのつもりで挑んできたようだったが、わたしは
「じゃあ負けたほうが今日の食事おごりで。」
といつもより高額めに答えた。こひくんは、
「えっ!ず、ずいぶん高額できたわねっ!すごい自信ねっ!」
と驚きながらも、「いーよわかったよ!」とその賭けにのってきた。


〜〜〜〜〜
こひくんに質問をされる直前。
わたしは、斜め前方の席に座っていた客が、店員に「水ください」と声をかけたにもかかわらずグラスに麦茶を注がれているのを目撃したばかりだった。


でもそんなことこひくんには教えなかった。
おごりのごはんておいしいね。ごちそうさまでした。