納豆

こひくんは納豆が嫌いなんだよ。ベタだね。ヒネリがない。なんで嫌いなのって聞いたら、「モロッとするから。」だってよ。革新的だ!モロッってなんだ!?なんか新しい。

わたしは納豆大好きなので、一緒に暮らしているときはこひくんにも食べさせようと何度か試みたけど、赤ちゃんみたいに『ウェー』って出しちゃってダミだった。

栄養があるから食べた方がいいんだよ。と思いつつも、まぁ嫌いなものを無理に食べさせるのもアレかなぁ、とか、もう子供じゃないから今更食べてるうちに好きになるさ!ってこともないかなぁ、と思い、放っておくことにした。


それからはや半年以上たった今日、こひくんが電話で「みほがずっと前に食べた方がいいよって言ってたから、最近は納豆巻きを買って食べているよ。」なんてことを言い出して、わたしは「ア、アンタって子は・・・!」と思って胸がいっぱいになった。目頭が熱くなった。
ひねくれ者が多いこの世の中で、アンタのその忠実さと素直さは貴重だよ。と思った。
その忠実さと素直さをずっと持ち続けていれば、ものすごく幸せな人生が送れるよ。もしくは、だまされまくってものすごく不幸せな人生になるかのどっちかだよ。よかったね。とも思った。



ちなみに、久しぶりに食べた感想をこひくんに聞いてみたところ、
「んー・・・モロッとした。ウェーってしそうになったけど、もったいないから食べた。」
ですって。
『もったいないから食べた』ってとこに成長の跡が見えて、嬉しく思います。