ベタベッタン

タバコを吸い始めて1年弱のこひくんが、「軽いタバコでは物足りなくなってきた」とか「でも俺は、やめる気になればいつでもやめられる」とか言い出した。

なんだかなぁ。ベタだなぁ。吸い始めてまもない人は必ずそういうこと言うなぁ。そう思いながら吸い続けているうちにやめられなくなっちゃうのになぁ。いつでもやめられるなら今やめればいいのになぁ。と思い、「こひくんはベタだね。世の喫煙者と同じ道を辿っているね。」と言ったところ、こひくんはこう言った。
「そうだね。俺はベタだね。タバコのことに限らず、俺はなにもかもがベタだ。でも、ベタを恐れるのは凡人だよね。」

―な、なにーーーっ!!!

頭を鉄器で殴られたようなショックを受けた。なんで鉄器かというと、さっき読んでた漫画にヒッタイトの話が出てきたからなんだけど、それはどうでもよくて、とにかくマジでガーンときた。『ベタを恐れるのは凡人』!!それはつまりどういうことか。


ベタを恐れていない感じのサザエさんvsベタを恐れている感じのドラえもん 


うわー!!ヤバイ!なんかいい例え言っちゃった気がする!!どうかな!?なんかわかる気がしてきたか?ベタを恐れだしてからのドラえもんは、絵柄が微妙に気持ち悪くなってたり、馴染み深い主題歌をとっぽいアーティストに歌わせたり、なんだかグダグダだ。それに比べて、サザエさん。ダダッダッダダン、ダダッダッダダン、ダダッダッダダン、ダン♪さーて来週のサザエさんは〜??タラオでーしゅ!〜〜〜の3本でしゅー!
…素晴らしい。これぞ様式美。ベタの最高峰。とても凡人の成せる技じゃない。


わたしも、これまでの人生で、知らず知らずのうちにベタを恐れていたことがあったのではないかと反省させられた。『ベタ恐るるなかれ』。これからはこの日記にも、堂々と毎度毎度同じような話を書いていける気がするなぁ。と思った。

オチを2・3パターン用意して、それをローテーションで繰り出すのも悪くないね。とも思った。

それ以前に、この『…と思った。…とも思った。』っていう終わり方が、すでにベタの域かもしれないな。わたしも意外にやるもんだな。なんてことも思った。