靴

今日はこひくんとバッティングセンターに行った。パッコンパッコン打ったった。
でもこひくんからはへっぴり腰だと言われた。わたしは、へっぴり腰なのにアレだけバットに当てているってことをもっと褒めてくれてもいいんじゃないかな、と思った。


そのあとフラリ靴屋に立ち寄った。
ズラリと並ぶ靴を見ながら
「いいなぁ。靴欲しいなぁ。」
とわたしが呟いたら、こひくんが
「みほ、靴いっぱい持ってるからもう足りてるじゃん。」
とか言い出して、ほんともうオマエはアホかと。死ねと。思わず、さっきのバッティングセンターに金属バットを取りに戻りたい衝動に駆られた。オマエなんて殴打。
いっぱい持ってるからいらないってどういうことだ。靴は一足あれば充分か。「一足履きつぶしたらまた新しいやつ買いな」ってオマエそれ、小学生か。いや、今日び小学生でも何足か履きまわしているだろうに。そんなの昭和の考え方だ。

足りないものしか買えない人生なんてクソだ。ウンコだ。
足りてるのにまだ買う。それこそセレブだ。マダムだ。
そういう人に、わたしはなりたい。


でも結局、お金がないから買わなかった。買えなかった。
昭和の小学生のように、今ある一足を履きつぶすしかないんだ。


哀れだと思うなら、だれか靴を送ってください。25センチだ。