○○サン!○ッパ!

起きて早々「まだ眠い。もう一度寝る。もっと寝る。」とわたしが騒いでいたら、こひくんが
「だめだよ!もうっ!みほは寝てばっかだなぁ。・・・ミホサン!ネッパ(寝っぱなし)!」
と言い出した。そのときはそれで聞き流したが、その後お風呂に入ろうと服を脱いだら、またもやこひくんが
「ミホサン!マッパ(真っ裸)!」
と言った。そのフレーズがどんだけお気に入りやねん。と思いつつもまたもやスルー。


そしてその日の夜。こひくんとの話の中でわたしが「やっぱりタモさんが好きだ。」と言ったら、こひくんはなんとまた、「タモサン!ヤッパ!」とあのフレーズを口にしたのだ。
三度目ともなれば流せない。「いったいその『○○サン!○ッパ!』というのはなんなんだ。」とこひくんを問い詰めた。
するとこひくんは
「えーっ!?知らないの!?信じられない!!一休さん観てなかったの!?うわー信じられないなぁ!」
と必要以上に驚きながら、『○○サン!○ッパ!』の秘密を教えてくれた。


それによると、TVアニメ『一休さん』の中で問答をやるときに「作麼生(ソモサン)!」(さぁどうだ)と言って問題を出し、「説破(セッパ)!」(説き伏せてくれるわ)と言ってそれを受ける、というお定まりがあったらしい。(仏教用語ってことですね。)
はっきり言って、わたしは全然知らなかった。「へぇー」と感心の声をあげると、こひくんは
「みほって昔のアニメとか漫画に詳しいかと思いきや、『一休さん』に弱いよね!終わりの歌も知らなかったしさっ。俺のほうが『一休さん』詳しいね!そっかぁ〜みほはソモサンセッパ知らないかぁ〜…ゴメンね!俺アカデミックで!」
とニヤニヤしながら言った。



悔しかったので言い返したかったが、『じゃあオマエ、クリィミーマミがアイドルになったときの歌うたえるのかよ!』とか『オヨネコぶーにゃんの終わりの歌がどんだけせつない歌詞だったか知ってんのか!?』ぐらいしか返す言葉が思い浮かばなくて、「これじゃあ説破はできないな。しかも全然、アカデミックとは言えないな。」と思い、悲しくなってメソメソ泣いた。