寝起き

わたしは寝起きがかなり悪い。起きて数分はかなりやさぐれている。むりやり起こされた場合に至っては、やさぐれ度3割増しだ。

今朝も、寝起きのわたしに向かってニコッと微笑みながら「おはよっ。」と声をかけてきたこひくんに対して、
「うるさいオスブタ」
と言ってしまった。
でも寝ぼけているわたしは、悪いなんて思わない。人が眠いときになぁにがおはようだよっ!ヘラヘラしてアホじゃないか。そりゃーオスブタ言われるわ!とゆう心境だ。

普通の人ならこんなわたしの態度に怒るところだろうが、わたしの寝起きの悪さをご存知のこひくんは怒らずにこう言ってきた。
「んー?うるさい?朝の挨拶はうるさいじゃないぞー?おはようだぞー。」
ん!?…朝の挨拶…?おはよう…?うるさいは違う…?んん…?
予想外のこひくんからの訂正に、戸惑い混乱するわたし。
「あと俺はオスブタじゃないよなぁ?わかるー?オスブタはオスのブタ!俺はオスのブタとは違うよー。俺はだれー?」
んー…んー…こひ…?こひくん?…オスブタは違う…こひくん…
「うん、そうだなっ。よくわかったなーえらいなー。じゃあ『うるさいオスブタ』じゃなくてなんて言えばいいか、わかるなー?」
うん…わかる…うるさいオスブタ…じゃなくて…おはようこひくん…?…そう!そうだ!おはようこひくんだ!
「おはよう!こひくん!」
「はい、おはよう!」


よしよし、と満足げに微笑むこひくんを見て、「この人はえらいなぁ。オスのブタじゃあこうはいかないなぁ。」と思った。