宇都宮へ行くの巻 其の二

サーキットの豚

今日は、やっくん(弟)が毎週かよっているカートのサーキットに同行させてもらった。
最初、「俺あんまり車とか興味ないから大丈夫かなぁ」と不安げだったこひくんも、いざ着いてコースを目にすると、目を輝かせて「乗ってみたい!」と騒ぎ出した。
初心者は一周35秒はかかるんじゃないかといわれるコース(やっくんは28秒前後)。こひくんは一体どのくらいで走るのか。
うちのお母さんは、「こひくんはどんくさそうだから」と言い、34秒を切れたらこひくんが欲しがっているフライパンを買ってやる、とまで言い出した。
最初の一周目。予想を裏切らず44秒というどんくささ。お母さんの目がフフンと笑っている。
ところが、ここからがこひくんの本領発揮。周を重ねるごとにみるみるタイムは縮まり、10周回り終える頃には32秒をマークした。さすが、三回やったらコツ掴むといわれる男。お母さんは今にもハンカチをキキーッと噛み締めそうな表情だ。もうどんくさいなんて言わせないっ!ってなもんである。

その後もタイムを少しづつ縮めてゆくこひくん。最終的にはなんと31秒台を出し、サーキットの人にまで「初心者なのにたいしたもんだ」と褒められていた。

「俺の中の男の子が目覚めたんだ!」と目をキラキラさせながら語るこひくんと、「どんくさそうに見えるんだけどねぇ…」とイライラを募らせるお母さん。そして、「もうなんでもいいからはやくごはん食べに行こうよ〜」と駄々をこねるわたし。
それを少し離れたところから「アイツらみんな子供だなぁ」とあきれた目で見つめる中学生の弟であった。