外食

こひくんとドライブ。
途中、お腹が空いてきたのでどこかで食べていこうということになる。しかしこひくんは「みほの行きたいところでいい」と言うし、わたしは「どこでもいい」というので、どこの店に入るかまったく決まらなかった。
このままじゃ埒があかないと思ったこひくんが「じゃあ、次に道沿いにあった店に絶対入るからね!」と言い出した。
多少ワクワクしながら道沿いを眺めつつ車を走らせる。
最初にあった店。それは、さびれたドライブインのような、何屋かさえはっきりしないような、人っ気のない店だった。
こひくんはなにも言わずに通り過ぎた。
そりゃあね、まぁね、しょうがないよね、あれじゃあね、と思っていると次の店が見えた。
マクドナルドだった。
こひくんはチラッとわたしを見て、「ちょっと入り口が入りづらそう」と小さな声で言い訳しながら、また通り過ぎた。
まぁファーストフードの気分じゃないときもあるからしょうがないよね、と自分を納得させながらグーグー鳴るお腹をさすった。
次にあった店はバーミヤンだった。こひくんはまた、何も言わずに通り過ぎた。
そんな調子で2,3件通り過ぎたころ、わたしはキレた。
「おまえ結局どこ入りたいねん。このままおまえといたら餓死するわい。
 おまえが次あった店に入るって言い出したん違うんか。えっ?
 それともなにか、本当は食べたいもん決まってんのか?」
するとこひくんはびびりながら小さな声でこう言った。
「な、なんか小どんぶりみたいな…」


小どんぶりみたいな。なんだソレ。あほかっ!おまえは一生小どんぶり食ってろ!小どんぶりの食いすぎでリバウンドしろっ!ばーかばーか!