ニイガタへ行くの巻 其の六 完結

三・四日で帰る予定が、あまりの居心地の良さに六日目に突入とゆうこの体たらく。さすがに今日は帰りますよ!

数日前からこひくんはお父さんに「家で使ってないパソコン一台ちょうだいよ」とおねだりしていた。しかしお父さんは「ダメダメ!使ってないパソコンなんかないもん。全部俺が使ってるんだから!」と断り続けていた。
最終日の今日も、こひくんはしつこくお父さんに「パソコン〜パソコン〜」と訴えていた。あまりのしつこさに根負けしたお父さんが「なんでそんなに欲しいのか言ってよ。それによっちゃあ考えんでもない。」と言った。
すると、こひくんはこともあろうに
「家にみほのパソコンがないからさぁ」
とのたまった。さらにこう続ける。
「俺が使ってるときみほ使えないからかわいそうじゃんねぇ?みほの分もう一台あるといいじゃんねぇ?」
え!?えー!?えぇぇぇぇーっ!?なんか私がねだったみたくなってない!?私パソコン欲しいなんて一言も言ってねーーー!!
「なんだよ、そっかぁ。みほちゃんが使うっつーんじゃことわれねぇなぁ」
ってお父さん!あたしゃ別にいらないんですよ!あんたンとこのバカ息子がおもちゃの数増やしたいだけなんですよ!
「よし、わかった!金やるから新しいパソコン買え!みほちゃんのためならしょうがない!」
えぇぇぇぇぇぇぇ!ちょっとちょっとちょっとーーーっっ!!
でもなんかこひくん嬉々として「えーまじで?ありがとう!」とか言ってるし、今更「いやいや、私はいらないんですよ」とか言えなくて
「いやーなんかすいませんねぇ私のために。」
って言っちゃった。認めちゃった。

帰り際にお父さんに
「みほちゃん!うちの息子をこれからもよろしくたのむよ!」
と言われ、そりゃあパソコン買ってもらっちゃそう易々と別れられませんよ、と思った。