けど

わたしの実家からお歳暮と称して『あんこう鍋セット』が送られてきた。
夕べこひくんに「わたしはあんこう鍋が食べたい。肝も食べたい。食べなければ死ぬかもしれない。この冬がのりきれないかもしれない。こひくんと今生の別れになってしまう。」と大騒ぎして、「わかりましたよっ!明日スーパー行ったら買いますよっ!」と約束をとりつけたばかりだったので、非常に驚いた。
さすがおかあさん、わかってる。わたしのことわかってる。
こひくんもうちのお母さんみたいにわたしに騒がれる前に察知できるよう、要努力!だね!


そんなこんなで早速、実家にお礼の電話をした。
感謝の気持ちを伝えるために電話したのに、「こひくんにばっかりごはん作らせてないで、あんたも作んなさいよね!鍋なんて切るだけなんだからあんたでもできるでしょ!鍋の準備くらいしないとあんた地獄に落ちるよ!」とお説法を聞かされたあげく、最終的に地獄行きまで決定。おー怖い。
「ハイすいません、イエすいません、ごもっともです、もちろんです。」と得意の謝罪言葉を繰り返しなんとかのりきる。


でもおかあさんはえらいなぁ。きっとわたしのために怒ってくれてるんだろうなぁ。優しいなぁ。こひくんのことも気遣ってあげているのだなぁ。やっぱ半世紀生きてると違うね。子供3人も育てた人はしっかりしてるよ。我々があんこうを欲していることも見抜いたし。さすがだね。
けどおかあさん、まだ甘いよ。
昨日我が家は米を使い切ったんだよ!あんこうと共に米も送ってくれればおかあさん完璧だったのに。惜しい!あと一歩で賞だね!


「相変わらずあんたはぶっとばしてやりたいようなことばかり言うね。」



電話でよかった。ぶっとばされなくてよかった。
最終的に米も送ってくれることになったのでほんとよかった。